犬の幼稚園って必要?幼稚園の「効果」とは
- くどう まやか

- 1月17日
- 読了時間: 9分
こんにちは、大阪市福島区にある犬の幼稚園、oluoludogschoolの工藤です。
・犬の幼稚園に通わせるかどうか迷っている
・犬の幼稚園に通っているが、変化や効果がなくやめるか迷っている
この記事は、そんな方に向けてドッグトレーナーの本音で解説していきます。
犬の幼稚園の役割

これはあくまで私の考えですが、犬の幼稚園は「犬との生活をHAPPYにするための補助輪」のようなものだと思っています。
飼い主さんとワンちゃんが生活する上で、たのしさ・暮らしやすさ・コミュニケーションの幅を足し算していく役割があります。
犬の幼稚園って意味ある?
まず第一に、犬の幼稚園に通ったからと言って魔法のように犬がおりこうさんに変化したり、困った行動が劇的に変わることはありません。
トレーナーは魔法使いではなく、トレーニングは魔法ではありません。
トレーニングが魔法だと思っている人からすると、犬の幼稚園はあまり意味がないと思うのかもしれませんね。
たとえばスポーツジムを想像してみてください。
スポーツジムも、回数券を購入してトレーナーをつけてボディメイクやダイエットのためにトレーニングをおこないます。
でも、実際にトレーニングをするのは自分自身ですよね。
プログラムを受けても、普段の生活でからだによくないものを食べたり、悪い習慣を改善せずにいたら、おそらく効果はでないでしょう。
犬の幼稚園は学校、塾、習い事、これらと近しい存在だと言えます。
しかも自分自身(飼い主)だけが頑張れば効果が出るジムや学校と異なり、ワンちゃんと2人6脚でやっていく必要があります。
犬の幼稚園に通うメリット

一般的な幼稚園のメリットについて簡潔にお伝えします。
犬にとっていい刺激や社会化になる
幼稚園でしか得られない大きなメリットはこの刺激と社会化です。
家族以外の人、家以外の場所、他の犬などの刺激に対して、過度に興奮したり不安になったりせずに「慣れる」というのは、幼稚園ならではの大きなメリットと言えるでしょう。
ドッグランやドッグカフェ、サロンなどでも「刺激」にはなりますが、幼稚園の場合は滞在時間が長いためなじみやすくなります。
特に犬同士の社会性において、飼い主の介入がない・リードがない状態で犬とある程度の時間一緒にいるという経験は貴重です。
また、そういった時間は発散としての機能も持っていて、家で暮らすだけでは中々満たせない側面があります。
困った時や迷った時に逐一相談できる
「大それたことではないけどあってるのかな?」と思うことや、トレーニングを進めていく中での軌道修正やチューニングが圧倒的にとりやすくなります。
もちろんその幼稚園の業態にもよりますが、LINEや通園時などで思ったときにすぐに相談できるのも大きなメリットのひとつです。
昨今、トレーナーさんによる動画やライブ配信などが沢山出てきています。
実際にやってみて「あまり変化がない」「うまくいかない」と思ったときに、それをどう改善するのか、継続すべきなのか、あるいは別の方法にチェンジすべきなのかなどの判断を仰ぎやすいのも幼稚園の大きなメリットです。
家以外に預けられる場所をつくる
幼稚園やホテルなど、お家以外で過ごす経験は犬にとって非常に大切です。
冠婚葬祭や病気やケガ、旅行など、やむを得ない理由で犬をホテルなどに預けなければならないケースは絶対にあります。
そんなとき、普段から家以外の場所で過ごした経験があるかないかで、ワンちゃんのドキドキ度合いは大きく変わります。
幼稚園は効果がない?失敗例とその理由

トレーナーとのすり合わせ不足
全てはここに集結します。
トレーニングには段階があり、内容によっては一見まったく関係がないと感じることから始めるケースもたくさんあります。
すり合わせが足りないと、「困ったことがあって幼稚園に通っているのに全然関係ないことばかりやっている」と思ってしまいますよね。
でも、トレーナーからすると実は繋がっていて、一見関係ないstepの先に飼い主さんのお困りごとがあるのです。
進捗が思ったよりゆっくりだと飼い主さんが感じても、プロのトレーナー目線からすると順当に進んでいるということも。
なるべく思ったことはすぐにトレーナーに伝えること、トレーナーとゆっくり話ができる機会がある、トレーナーさんと話しやすいなと感じる幼稚園を選ぶことが大切です。
通う期間が短い・頻度が足りない
犬は習慣の中で学習する生き物です。トレーニングは魔法ではないというのは、たった一回のトレーニングで学習しきるということはなく、繰り返し学習を重ねることで行動が定着していくためです。
何かを新たに教えるとき、まっさらな状態であれば比較的短い期間でも教えることができます。
しかし、すでに繰り返されている行動を変化させるときは過去の学習をやり直さなければなりませんので、変化させたい行動をとり続けていた時間と同じだけかかります。
そして、犬に負担のない方法ほど、変化はゆっくり起こります。
「はやく効果や変化を出したい!」と思っているお家ほど、その小さくてゆっくりな変化を見落としがちです。
トレーニングの手法によってかかる目安の期間はまちまちですので、トレーナーさんとしっかりすり合わせながら進めることが大切です。
また、「求める効果の内容」にもよりますが、通う頻度があまりにもすくないと定着せずになかなか進まないことがあります。
特に警戒心が高いワンちゃんや、成犬から通いはじめたワンちゃんはそもそも幼稚園に慣れるまでにも時間がかかるため、低い頻度・短い期間だと変化が出ないことがほとんどです。
トレーナーの技術不足、または領域が異なる
ドッグトレーナーになるためには特別な資格がいりません。(どうぶつに関する業務を行うにあたり、必要な資格はあります)
そのため、名乗ってしまえばドッグトレーナーになれるのが実情です。そしてペット業界は新陳代謝が激しい業界でもあります。
中には技術や経験が不足しているケースもあるでしょう。
また、お悩み事がそもそもトレーナーの領域ではないケースもあります。
たとえば困った行動の原因が体調不良、痛み、脳やからだの先天的な障がいであった場合、トレーニングの領域ではなく獣医の領域です。
あるいは基礎的なパピートレーニングがメインのところや、トレーニングというよりはお預かりが主体の保育園のような施設である場合、行動の改善や行動治療などは専門外であるということもあります。
では有名な資格を持っていたらいいのか、歴の長いトレーナーだったらいいのか、というと一概にそうとも言えません。
なるべく多くの情報に触れ、実際にお店を訪れてみて、トレーニングの話や施設の様子を見てみるのが一番です。
理想が高い
たとえば、犬が苦手で吠えてしまうワンちゃんがいたとします。
飼い主さんの理想は「犬と仲良く遊ぶこと」で、その犬にとっては「犬と同じ空間にいること」までが精いっぱいというケースだった場合、飼い主さんの理想を叶えることはできませんよね。
この差異が効果がないと感じる理由の一つです。
上記で例に挙げたのはかなり分かりやすい差異ですが、実際はもっと様々です。
お困りごと:撫で続けるとうなって嫌がる
理想:どこをなでてもうならず、怒らないようにしたい
実際の着地:人側の配慮ありきで触る(犬がうなる前にで撫でるのをやめる・苦手な場所はスキンシップでは触らず、触るときはご褒美を使うなどして手順を踏む、など)
お困りごと:知らない人に吠える
理想:知らない人を見たり声をかけられたりしても吠えないでほしい
実際の着地:吠える人(苦手な人)と吠えない人がいる、吠えても呼ぶと戻ってこれる
など、飼い主の望みと犬の望み(キャパ)は別のところにあるということです。
トレーニングは歩み寄りが前提です。
困った行動を全くのゼロに!嫌なことを全て受け入れるように!とするのは人にとっては快適かもしれませんが、犬にとってはよくありません。
自分の理想にあった幼稚園かどうか、カウンセリングや見学などでチェックしよう

犬の幼稚園を検討しているときは、積極的にカウンセリングや見学に行ってとにかくトレーナーと話をたくさんしましょう。
トレーニングの手法は幼稚園ごとに全く違うといっても過言ではありません。
気になることを質問して、納得がいく答えをもらえたところに通ってみるのがいちばんです。
oluolu流、犬の幼稚園の考え方…?

ここまでのお話は犬の幼稚園という大きなくくりに対しての解説です。
最後に、少しだけオルオル流の考え方をご紹介させてください。
オルオルでは「犬育ては人が育つことから」という指針があります。
人が変わることでしか、犬は変わらないと考えています。
犬を変えるためには人側の接し方や習慣を変えなければ犬を変えることはできません。
そして不思議なことに、犬に対して「吠えないで!引っ張らないで!」と効果や変化を強く望んでいるときほどうまくいかず、「どんなあなたも大好きよ」と飼い主さんが犬をまるごと受け入れるようになると犬が大きく変化します。
行動学的には説明しづらい事象ですが、理想の犬の姿ばかりを見ているとできない事ばかりに目が行き、どんどん嫌になっていく…という負のループに陥ってしまうことも少なくありません。
できないこと探しを始めると、犬への目線が減点方式になってしまうのです。
減点方式がはじまってしまうと、人も犬もしんどい・疲れる状態が続きます。
減点大会が始まるのかと思うと無意識に億劫な気持ちになり、お家でなにかしよう、トレーニングをしようという気持ちもだんだんしぼんでしまいます。
「どんなあなたも大好きよ」という心持ちは、犬の小さな変化を喜ぶことができ、犬の些細な行動の機微や行動の理由を観察できるようになり、「できなかった」ことよりもできたことを発見しやすくなるのです。
喜びや楽しみが増えると、おのずと生活のあちこちでトレーニングが溶け込み、人も犬もよい行動が習慣化しやすくなります。
そういった小さな"プラス”の積み重ねで、いつしか大きな変化にかわっていくのが理想的ですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「犬の幼稚園って効果がある?」と思っている方向けに解説させていただきました。
「犬の幼稚園に通うべきか」という観点でいうと、個人的にはどちらでもよいと思っています。
社会性という意味ではもちろん通った方が良いと思います。
しかし、通うという形にとらわれなくとも、飼い主向けのセミナーなどをとったり、WEBでの面談を通してレッスンを受けたり…などプロが発信している多くの情報をとることは強くおすすめします。
トレーナーの我々ですら日々勉強です。新たな視点が増えると犬への愛の選択肢が増え、よりあなたと愛犬の暮らしをよりHAPPYにしてくれるでしょう。





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