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執筆者の写真くどう まやか

子犬の時期の社会化トレーニングの重要性

更新日:8月6日





当園では、月一回のしつけ教室「ようちえんクラス」と「パピーパーティー」で社会化をテーマにレッスンを行っています。

また、お預かりしているワンちゃんも、基本的には「心のトレーニング」である社会化トレーニングからはじめていきます。

社会化トレーニング自体は仔犬~成犬限らず行うことができますが、行う時期によって意味合いが変わってきます。


今回は仔犬の時期の社会化トレーニングについて、重要性を解説します!


社会化トレーニングとは?




ワンちゃんの社会化トレーニングとは、人・犬・場所・触られるなどの刺激に対して慣らすことを広く指します。

社会化トレーニングの目的は大きく分けて三つ。


①刺激に吠える・噛む・興奮するといった心の揺らぎからくる問題行動を緩和・予防すること

②ワンちゃんが人間社会で暮らす上でのストレスを緩和すること

③飼い主さんがワンちゃんへの理解を深めること


仔犬の時期から行うことを推奨していますが、仔犬から始めるのと成犬からはじめることの差は

・「慣れるまでのスピード」の速さ

・苦手・嫌いな刺激への興奮や反応の強さ

この2点です。仔犬の方が慣れるのが早く、また苦手な刺激に対しても慣らしておくことでパニックになることは少ないです。

成犬でもきっちり手順を踏めば社会化をすることができますが、一度強く苦手意識がついてしまったものを克服することはほぼできません。(緩和をすることはできます


オスワリができること、マテが長くできること、オイデができること。

もちろんトレーニングとして当然のように行いますが、「人の合図に耳を傾けられるか」よりも社会化トレーニングをいかに丁寧に行うかが大切あると思っています。

どんなにオスワリが上手にできて、マテが何分できるようになろうと、不安や恐怖・警戒心からくる吠えや噛み、動揺や怯えを根本から改善することはできません



なぜ子犬の時期の社会化は重要なのか?


前述した「警戒心が低い」状態の仔犬たちは、成犬が1週間かけて克服することをたったの数時間で克服してしまいます。

「不安に思った」「ドキドキした」「怪しいと思った」という学習履歴がまっさらなぶん、それが覆るのが早いのです。


子犬の時期に行う社会化の重要性



ワンちゃんには社会化期・幼犬期と呼ばれる期間があります。

五感や四肢が発達してきて動き回れるようになってから、大体4か月半(5か月)くらいまでの間です。(大型犬の場合は6か月くらいまで)

※正式には社会化期は18週齢までと定義されていますが、経験上警戒心が芽生え始めるのは4か月半・5か月からのケースがほとんどです。


この社会化期・幼犬期と呼ばれる時期は好奇心が旺盛な時期。初めて見るものに興味を持ち、なんでも口に入れたり、物おじせず動き回る子が多く、もし臆病な性格であっても慣れるまでのスピードが格段に速いのです。


この時期を終えると、一歳までの間に徐々に警戒心が上がりはじめます。

これまで何も感じていなかった刺激に不安を覚えるようになり、その不安な気持ちから「吠える」「噛む」「逃げようとする」「攻撃する」といった行動がでていきます。


警戒心レベルが低い状態のときに、将来多くの犬が不安を感じやすい刺激をいい印象に変えたり、不安に思い始めてすぐに慣らす練習をすることで将来の不安を大幅に減らすことができるのです。


子犬の時期の社会化とは、いわば心のワクチンです。

・社会化期に何の感情も抱かない刺激に慣らす・嬉しいと思えるものと結びつける

・警戒心レベルが上がっている最中、まだ不安や警戒が軽度な段階で慣らしておく


子犬の時期というのは若ければ若いほど「まっさらな状態」です。

苦手だと自覚する前に「不安」「警戒」「問題行動」を予防することができますし、不安を感じた履歴が少なければ少ないほど緩和するスピードが速いのです。


警戒心が上がることによる問題は必ずどの子も起きる



どんなに若いうちから社会化トレーニングをしても、警戒心が上がる心の変動はワンちゃんにとっても戸惑いがあるものです。

そのため、若いうちにどれだけ経験を積んでも、ある程度月齢が上がってくるとどの子も不安や警戒から吠えや怯えが出ることがありますが、社会化トレーニングをしているワンちゃんはその「不安からくる行動」の反動が少ないです。


理想をいうならば、4カ月半未満から社会化をはじめて、1歳まで継続的にトレーニングしていくことが大切です。


これまでたくさんのワンちゃんたちを見てきましたが、幼少期からトレーニングをしているワンちゃんと、成犬からはじめたワンちゃんとでは、刺激に対して慣れる順応性やスピード感は雲泥の差があるといっても過言ではありません。


うちの子は大丈夫!と思うかもしれませんが、刺激に対する不安が全くないワンちゃんはいません。


犬同士のかかわりは仔犬の時期から学ぶのがベスト



「かかわり」というのは、

・遊ぶこと

・スルーすること

・相手の犬の気持ちを汲み取ること

・ご挨拶すること

・苦手な相手に自分から距離を取ること

これらのことを指します。


特に遊びや相手の気持ちを汲み取るのは、好奇心旺盛なパピーが遊び上手な先輩犬に正しく遊びを教えてもらうことが大切です。

犬同士の遊びを通して、

・適切な距離の取り方

・噛む力の加減

・遊びたい時に自分がどう振る舞ったらいいのか

・逆に遊びたくない時はどうしたらいいのか

を学んでいきます。

成犬になるまで犬と触れ合ったことがない、もしくはコミュニケーションをとったことがないワンちゃんが「上手に遊ぶ」というのはかなりレアなケースです。


ドッグランにむやみに行くのはおすすめできない



あくまでこの犬同士のかかわりを学ぶというのは、それが出来ている輪の中に入るということが大前提です。

ドッグランは不特定多数の犬が集まり、愛犬の性格に合わせた組み合わせができるわけではありませんし、みんながみんな遊び上手なわけではありません。


遊び方が強い子に追い掛け回されたり、犬が得意でない子に近づいて怒られたり…といったネガティブな経験を積んだ際、その印象が犬にとってあまりにも強いとかえって犬嫌いになってしまうことがあります。


お泊り・お預かりなども仔犬のうちに経験させておこう


他所へのお預かり経験やホテルでのお泊り経験が仔犬のうちにあるかどうかで、お泊りの時のストレスもかなり大きな差があります。


成犬で初めて会ったワンちゃんをお預かりした際に、過去にホテルの経験があったり、よその幼稚園に通っていたワンちゃんは大体1~2日くらいでかなりリラックスして過ごしてくれます。

対して、一度もホテルにいったことがない、もしくは他のホテルでストレスを感じた経験がある子は、

・お腹を壊す

・ごはんが食べられない

・一晩中鳴き続ける

なんてことはざらにあります。


仔犬の時期に、何も用事がなくても他所に預ける、お泊りするという経験はさせてあげましょう。


まとめ


いかがでしたか?

今回は仔犬の時期の社会化について、重要性をお伝えしていきました。


仔犬の場合は、少々無茶をしたり、過密なスケジュールで慣らしてもついてきてくれるものです。

ただ、成犬の場合は無茶をしたり、段階を見誤るとかえって苦手意識を強めてしまうことがあります。

ここに大きな違いがあるのです。


でも、具体的に社会化って何したらいいの?という方は、ぜひ一度本校のパピーパーティーにご参加ください!

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