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  • 執筆者の写真くどう まやか

保護犬のトレーニングって難しい?【犬のしつけ】


保護犬 トレーニング

こんにちは!大阪市福島区の犬の幼稚園、oluolu dog schoolの工藤です。

今回は、Instagramにてフォロワーさんにブログの題材を募集した際に、【保護犬(成犬)のトレーニングについての難しさ】についてのご質問がありましたので、そちらについて解説していきます。


この記事を読み始める前にまず、執筆者である工藤自身は保護犬の活動に携わったことはありません。

(オーナーの齋藤は保護犬のボランティア活動経歴があります)

保護犬を迎えられた飼い主さんから依頼を受けてトレーニングをしたときの経験をふまえてあくまでトレーナー目線の解説していきます。

予めご了承くださいませ。


保護犬って?


保護犬

保護犬と一口にいっても種類があります。

基本的には住む家がなく、路頭に迷っているワンちゃんたちが民間の施設や個人宅で保護されているワンちゃんたちのことを指します。

①保護された野犬(野良犬)、またはその子供

②ブリーダー崩壊や多頭買い飼育家庭などによってレスキューされた犬

③一般家庭の飼育放棄

④ブリーダーの父母犬や、ドッグカフェなどの施設のワンちゃんが引退を期に里親を探している


保護犬のトレーニングって難しい?


保護犬のトレーニング

保護犬のトレーニングの難しさは、それまでワンちゃんが人間とどのように生活を送ってきたのか、飼育放棄された経緯などによって異なります。

人間とのかかわりが薄かったり、虐待を受けていた経験があったり、劣悪な環境で育ってきた保護犬のトレーニングは平均的に見て難しいです。


逆に、普通にお家で暮らしていたワンちゃんや、それなりによい環境で暮らしていた引退犬などは成犬であってもさほど難しくないでしょう。

保護犬カフェや譲渡会などで過度に怒ったり、おびえたりせず人と触れ合える犬たちであれば、新しい環境に慣れる時間さえ確保すれば馴染んでくれるまでも早いでしょう。


また、「トレーニング」をどこまで指すのかによっても難易度は異なります。

oluoluのトレーニングは

・人と犬が暮らす上でのコミュニケーション(意思疎通)を円滑にすること

・人と犬、お互いのストレスを理解して、尊重しあうこと

という方針で行っていますので、その前提で話を進めていきます。


保護犬のケース


①保護された野犬や野良犬

※まれに野犬でも、仔犬のうちに迎えることで人間社会に順応できることがあります。


野犬とは、何らかの理由で野山に飼育放棄された犬が産んだこども、その子孫たちのことを指します。

彼らは野山で育ち、自分たちで狩りなどをして食べ物を調達しているので、非常に野生の生態系になじんでいます。

彼らは野生で暮らすにあたり、身の危険を察知する能力と、察知した危険から自分を守るための力が発達しています。

そのため、体を拘束されること、触られること、自然界に存在しない音や素材(車、金属など)を「危険なもの」と判断して回避行動を取ったり、攻撃的になったりするのです。


世の中に暮らす様々な「犬種」は、犬種が確立される過程で目的に近いカラダや性格の犬たちが選別されてきています。

キャバリアのような攻撃性の低いワンちゃんは、「撫でられたり遊んだりするのが大好きで、人になつきやすい」という血を引いていますし、レトリーバーは「作業欲が強く、人と何かをするのが好き」という血を引いています。

同じように野犬は野生で生きていく能力が高い血を引いているため、警戒心が高くトレーニングが難しいとされています。


野良犬はなんらかの理由で人間の居住区にいる犬たちのことを指し、人間の残飯など食べて生きているため、野犬と比べると人間に対してのなじみがあると言われています。

※野犬と野良犬の定義については諸説あります。


どのくらい野性的な気質を持っているかによって、難しさは変わってきます

野性的な気質が強すぎる犬は警戒心が高く、それに伴ってトレーニングの難易度は高くなります。

ですが、さほど警戒心が高くないワンちゃんはエネルギッシュで体も丈夫、作業欲も高く充分に楽しくトレーニングを進めることができます。


②ブリーダー崩壊や多頭買い飼育家庭などによってレスキューされた犬


大抵、劣悪な環境で暮らしてきたケースがほとんどです。

狭いゲージの中で暮らし、お手入れもほとんどされたことがなく、食事・睡眠・運動をすべて狭いゲージで強いられてきたということも少なくありません。

心の面でも体の面でも健康を害している状態なので、中には命を守るために攻撃的な行動をとるワンちゃんもいます。


しかし①と異なり、人間という存在自体は知っていることから、性格によっては「睡眠・食事・運動」によって健康な体を手に入れることで、早くなじんでくれる場合があります。


③一般家庭の飼育放棄


「普通に幸せに暮らしていたが、何かしらの理由があって飼えなくなった…。」という場合は環境の変化に慣れる時間は必要ですが、トレーニングの観点ではあまり難しくありません。


しかし、暴力や体罰などを与えらえて暮らしていたケースや、吠えや噛みなどが理由で飼育放棄された場合は非常に難しいと言えるでしょう。

その心の傷や攻撃行動の強さによっては、もっとも難しこともあります。


④ブリーダーの父母犬や、ドッグカフェなどの施設のワンちゃんが引退を期に里親を探している


保護犬カフェや保護犬の譲渡会などで、様々な人に触れ合ってもおびえたり、怒ったりしない子であればさほど難しくなく、むしろ性格や好き嫌いがはっきりしているので人間側も合わせやすいと思います。

ただ、一人ぼっちで生活したことがない犬の中には、一人になることやお留守番がとても苦手な子もいますので、もしかするとお留守番・ハウストレーニングは難航するかもしれません。


なぜ保護犬のしつけ・トレーニングは難しいとされるのか?


犬 しつけ

1.社会化の観点から臆病な子が多い

生後3週間~14週齢までを社会化期といい、この時期は何の警戒心もなく好奇心いっぱいです。経験上でいうと、19週齢までは警戒心があっても順応性が高いケースがほとんどです。

この時期に人間と触れ合った経験がないと、そもそも人という動物は犬にとって未知なる存在なのです。


また、ブリーダーや多頭買い飼育家庭の崩壊などでは、人間という存在は知っていても、お外で出くわす刺激(音、たくさんの人、もの、環境の変化)などを知らずに育つため、そういった外的な刺激に臆病であるケースが見受けられます。


逆に言うと、社会化期のうちに引き取った場合は順応してくれることが多いです。

そして、適切な環境で育ってきた引退犬や普通に暮らしていた犬たちは人と暮らすことにはなじみがあるので、基本的には問題がないでしょう。


2.これまでの学習履歴から身を守る行動をとる

過去に感じた恐怖や不安などが、印象深い(痛みが伴うなど)場合や回数が多い場合、彼らにとって「命を脅かすもの」として学習してきた履歴があります。

身を守るために攻撃行動や回避行動をとるのですが、その履歴がある子ほど馴染むまでに時間がかかるでしょう。


逆に、不安や恐怖の履歴が少ないワンちゃんであれば保護犬であっても、新しい暮らしに馴染みやすいといえます。


3.トイレのトレーニングは難しい

野犬や野良犬の場合はそもそも「寝床の近くで排泄をする」という習慣はありませんし、ブリーダーや多頭買い家庭の崩壊ではトイレというトイレがないことがほとんどです。

それまでの生活環境と長さによっては、トイレトレーニングは苦戦する前提で迎えてあげましょう。

また、お外でしかおトイレをしないワンちゃんの場合は、家の中でするように教えるのはかなりの根気とストレスがかかりますので、できないものと思ってもよいでしょう。


保護犬シェルターやカフェなどでは、スタッフさんがトイレトレーニングをしてくれていることもありますので、その場合はおトイレのトレーニングは入りやすいです。


保護犬の年齢の違い


何度か触れてきたように、仔犬の時に迎えるのと成犬の時に迎えるのとだと大きな違いがあります。

年齢が高ければ高いほど、新しい環境に変わった時のストレスが大きくなります。

人間も、子どものころにお引越ししてもなじむのが早いですが、年齢を重ねるごとに環境が変わるとストレスがかかりますよね。

50歳、60歳になって住む土地、家、周りの人間関係すべてが変わったら大きく戸惑うことでしょう。

犬も同じで、若ければ若いほど馴染むのが早く、年齢が高いと馴染むまでに時間がかかります。


・子犬の時期

4カ月半未満の仔犬は最も新しい環境への適応力が高いです。

4カ月半~1歳の場合は、ワンちゃんの過敏さ・それまでの不安や恐怖体験の履歴によってはなじむまでに時間がかかるかもしれませんが、比較的新しい環境になじむのも早いでしょう。


・1歳~3歳

子犬と比べるとなじむまでに時間は要しますが、病気や体の痛みなどがない限りは体力もエネルギーもあるため、ポジティブな段階をしっかり踏んでいけば新しい家族との生活になじんでくれるでしょう。

また、1歳以降は環境の変化で体調を崩すことがあります。


・4歳~6歳

これまで犬生の履歴によって、大きく難易度が異なります。

若い時と比べると新しいものや習慣を受け入れるまでに時間がかかったり、あるいは受け入れられないものも出てくるかもしれません。

一般的に問題行動と呼ばれるもの(吠え・噛み・トイレなど)の中には、しみついた習慣で改善できないか、あるいは改善するまでに時間を要することがあります。

なるべく彼らの許容範囲に寄り添って接することが大切です。


・7歳以降

シニア犬と呼ばれる年齢になると、新しい生活に馴染むまでに時間と労力がかかるでしょう。

一般的に問題行動と呼ばれるもの(吠え・噛み・トイレなど)は改善するのは難しいでしょう。難しいだけで、適切な段階を踏めば緩和することはできます。

体の疲れやすさや、痛み、病気、食欲が減るなど、健康的な意味でのストレスも受けやすい年齢です。

多くは求めず、健やかに食べ、眠り、適切に運動できて、健康に過ごしてくれればOK!という心持ちでいてあげましょう。



保護犬と暮らす上での心構え


トレーナー目線で保護犬への飼い主さんにお伝えするとしたら、私ならこんなふうにお話するでしょう。


①何もしない時間が必要


犬のトレーニング

おびえて逃げ回ったり、うなったり噛もうとしたり、隅っこで固まって動かない…という犬たちに、何かをしよう、何かをしてもらおうというのはまず思わないこと

また、成犬で引き取った場合はそうでなくとも新しい環境に戸惑うことは自然なことです。

まずは彼らにとって害のない存在として、一緒の空間に在るだけ、というのが大切です。

「嫌なこともなにもしないよ~」と思ってもらうことが最優先です。


具体的に言うと

・目を合わせない(じっとみつめない)

・不用意にさわらない

です。目が合うというのは、本来威嚇を示すボディーランゲージです。犬同士でジッと正面から見つめ合うことってあまりないですよね。あるとしたら、警戒しているかケンカの時だけです。

なるべく目を見つめないように、体の側面を向けたり、背中を向けたりして「敵意がないよ」というボディーランゲージをつかってあげましょう。


不用意に触らないというのは、そもそも撫でられるというのがもしかしたら不安や恐怖をあおってしまうということです。

触ったりなでたりするのは二の次。一緒の空間に穏やかにいれるようになることが最優先です。


②過干渉しない、優しくしすぎない


えっ?と思うかもしれませんが、人間がよかれとおもって優しく接したことが裏目にでることがあります。

犬にとってのパーソナルスペースを侵害したり、不安をあたえるようなボディーランゲージを出してしまったりすることがあるのです。


怖くない、大丈夫大丈夫…と人が一生懸命なだめるほど、不安や恐怖が増長してしまうこともありますし、過干渉することによって飼い主に依存的になり、分離不安のような症状を引き起こすことかえって生きづらくなってしまいます。


それに、慣らそうと思ってむやみに刺激に晒したり、触りすぎてしまうことでより過敏になることもあります。


人間が動じないこと。満足できる睡眠・食事・運動を提供してあげること。彼らから近づいてくれるのを待つこと。優しさではなく楽しさと安心を分けて与えることが大切です。


③パーソナルスペースを保てる環境設定


臆病な子や、吠えが多い子は特に、お互いがフラットでいられるパーソナルスペースを用意してあげることが大切です。

あまりにも一緒に過ごす場所が狭すぎたり、近すぎたりすると、飼い主さんがノイローゼになってしまうケースも少なくありません。


逆に適切な環境で暮らしてきた引退犬たちにとって、ひとりぼっちになるということに経験がなく、逆に広すぎたり、遠すぎたりすると不安になる場合もあります。

犬の様子を見て環境設定をしてあげましょう。



保護犬を迎えるとしたら、犬を尊重できる人が合う


犬と暮らす

犬を迎えると言ったら仔犬から!というのが当然でしたが、最近はペット業界も進化して、保護犬を迎えるという手段を選ぶ方も増えてきました。

飼育放棄や劣悪環境での飼育はペット業界の永遠の課題ですから、ペット業界に携わる一人としてはとてもうれしいことです。


前述したとおりそれまで犬が暮らしてきた環境、経緯、履歴などによって難しいか、そうでないかは変わってきますが、共通して言えるのが「あなた(犬)のことを丸ごと受け止めるね」という考え方を持てる人が合っていると思います。


「犬はこうあるべきだ!」

「おすわりまてができなければならない!」

「吠えるのは絶対にだめだ!」

「ドッグカフェや都会のお散歩を絶対に楽しみたい!」

「犬と飼い主は主従関係にある!」

と強い理想がある場合は、犬がそれになじめなかったときにお互いストレスを抱えることになります。

特に成犬の保護犬たちはこれまで生きてきた経験がありますので、その経験や感情、それに伴って起きる行動が、新しい飼い主の望むことと相違が起こるのは当然のことです。


「知らない人がいっぱいいるところは苦手なんだね。じゃあ、人が少ないところでお散歩してみよう」

「車の音が苦手なんだね。じゃあ、なるべく自然いっぱいの場所におでかけして、まずは楽しいことを増やそう」

「触られるのが苦手なんだね。じゃあ、おいしいものを食べながらだったら、ゆっくりゆっくり触ってもいいかな?」

「つかまったり抱っこするのは怖いんだね。じゃあ、なるべく自分から楽しくお膝にのったり、ハウスに入ったりする練習をしてみよう」

こういう観点でのトレーニングが必要になるかもしれません。

犬のことを知って、自分の望みと犬の望みの中間をさがしてあげられるような人であれば、保護犬ともうまく付き合っていけることでしょう。


まとめ


いかがでしたか?

今回は飼い主様からのご意見を題材に執筆してみました!


保護犬と一口にいっても様々なパターンがあるので、迎えられる際にはなるべく何度か会いに行って、保護された経緯なども出来る限り知ってからのほうがいいかと思います。


実際に保護犬を迎えてみて、困ったことがある、どうしたらいいかわからない、という方は、ぜひカウンセリング・しつけ教室にお越しくださいませ。


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